










この住宅は、広島駅近くの住宅地に位置する。この敷地において、私が最初に意図したのは、外部から建物の内部を容易に読み取ることのできない建築をつくることであった。外観からは、内部の空間構成を推測することが難しいつくりとしている。
この住宅の正面ファサードには、大きな開口部がひとつだけ設けられている。この開口部は通常とは異なる大きな寸法を持ちながらも、室内のプライバシーは十分に確保されている。1階では窓台を道路面から2.3メートルの高さに設定し、2階では小さなテラスを設けることで、室内と外部との間に緩衝領域をつくり出している。
クライアントからは、ピアノのレッスンのために生徒を迎え入れることのできる空間が求められた。そのため、1階と2階は同じ平面構成とし、それぞれにリビングを配置している。しかし、天井高さに変化を与えることで、両階の空間の印象は大きく異なるものとなっている。特に1階のリビングには、ピアノの演奏に適した良好な音響環境を生み出すため、より開放的で広がりのある空間を与えている。