2019年 9月14日
8月の大潮の満潮時刻、深夜0:30の建築の姿です。
周囲一帯が寝静まった深夜に昼とはまた違った顔を見せる建築
静寂の中に、微かな波の音と虫の声が聞こえます。
満月の月明かりがとても明るい。
設計の途中、深夜にこの近所はどのような雰囲気なのかを確認するため真夜中に敷地に訪れます。
昼とは違った顔を見せる環境の中での建築の姿を考えながら、
昼と夜と両方の建物が建った後の新しい風景を想像しながらエスキースを進めます。
深夜にどのくらいの静寂が訪れる場所なのか、敷地によって大きく異なります。
田尻の家は幹線道路に面した敷地で昼の交通量はある程度多いのですが、深夜は打って変わって
施主の先祖がこの敷地に家を建て住み始めた100年前と多分同じであろう静寂に包まれます。
田尻の家は、道路の拡張工事のため、敷地の特徴が大きく変わる中での設計だったので
誰も見たことがない新しい風景を想像しながらの計画でした。
もともとあった土木構築物のように住宅らしからぬ外観を持たせることで
長い時間そこにあったかのように振るまう建築のあり方を模索しました。
|
08:03, Saturday, Sep 14, 2019 ¦ 固定リンク
|