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藤本寿徳

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Emotional(感情と建築)
感情を呼び起こす幾何学

感情を呼び起こす幾何学構成

英語にすると、Emotional geometric composition
とでもなるのだろうか。

宇宙の大きさとその法則、そして美しさの中で、人間の能力で使いこなせる範囲はとても小さいように思える。

理性的に幾何学を扱い、その構成が理知的な感情を呼び起こす。その中に身を置く事ができる。
これが人間ができる範囲なのだと思う。

感情を呼び起こす建築。たとえば端正な美しを感じる建築。何か深淵な奥深さを感じる精神的に響く空間。なんとも言いがたい落ち着きを感じる空間。

こういうものが住宅で、日常生活において、実現できる。もちろん周囲の都市や自然の存在を同時に意識しながら、部屋内にいて宇宙(=世界=自分を取り巻く世界や空間)と距離をはかれる建築。

そういうものが、人間が扱える範囲での建築の最大限なように思う。

宇宙の法則に感情が無いとしたら、人間には感情がある。そこが大きな違いであり、人間の魅力であり喜びなのではないだろうか……。生きていることの喜びが感情であり宇宙から許されたこと。美しい住環境をつくることを許されている。

建築は社会に対する人間の姿や意識そのものであり、設計はその表現活動だと思っている。

感情の表現方法を誤ったり、鈍感になると、戦争のような悲惨な事柄に繋がる。建築が世界平和の礎になるとおぼろげに思っていたことも、こう考えると繋がってくる気がします。

(実はこのつぶやきは大学2年のときに書いた自己紹介文の、現時点での自分の答えです。大学2年の時、フラーの影響があったので、建築の秩序は宇宙の法則の中にある、それ抽出して建築で表現がしたいです。というようなことを書いたことがあったのです。今思うと恥ずかしい。こんな事ばかり考えていても建築はできないのですが、でも、結果、こういうことへと繋がるのではないかとも思っています。だから建築がブレることを嫌うのかもしれません。)
09:23, Saturday, Jul 03, 2010 ¦ 固定リンク

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