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藤本寿徳

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建築写真とデジカメ
*Canonから、(あおり)操作ができる(シフトレンズ)TS-E17mmF4LとTS-E24mm F3.5L IIが発売されて僕もフィルムからデジタルを使うようになりました。といっても一眼レフの世界。

建築写真家の矢野紀行さんに1週間に2度も、谷尻さんと小川さんの撮影現場でばったりお会いして、その時にデジタルカメラの事をいろいろ教えていただきました。
大判/中判カメラメーカーもデジタル化へと進歩は続いている状況を伺ったので、各メーカーから出されているカメラを調べてみました。

フィルム撮影で使う(ビューカメラ)や(大判用レンズ)は使えないのか?というとカメラは現状では使えません。レンズの方は35、38、47mmのような広角レンズを使っても、6x4.5サイズで使うと35mm換算で24〜30mm相当になり建築を撮る広角レンズとしてはモノ足りません。

デジタルバックのサイズが6x9(中判サイズ)や4x5(大判サイズ)まで大きくなる時代が来たらカメラも使えるのですが、現在のデジタルバックは6x4.5サイズ程度とまだ小さく、35mm換算で17〜20mm相当の広角レンズを使うとなると23とか28mmの焦点距離のレンズが必要になり、それにあわせて短い(フランジバック)のカメラが必要となります。

デジタルになって、フランジバックを短くしたビューカメラが必要な時代になったのです。

シュナイダーやローデンシュトックといったレンズメーカーもデジタルバックのセンサーサイズにあわせて、フィルム時代に較べ、より焦点距離の短く解像度の高いデジタル専用レンズを出してきました。その分(イメージサークル)が小さくなっています。

中判デジタルへの移行の最大のネックはデジタルバック。価格がまだまだ高額。メーカーとしてPHASEONEやマミヤMシリーズのデジタルバックなどがあります。(他にもハッセルなどあるようですが詳しくない)

レンズとカメラ、そしてデジタルバックはそれぞれ別会社のものを組み合わせて使うのですが、レンズとデジタルバックのメーカーは省略して(一部写真にレンズも写っていますがレンズはカメラだけ買ってもついてこない)、カメラ本体に注目して知っているメーカー別に写真を載せてみます。

まずは矢野さんも使われていたcolavolex、日本の共同写真という会社と同じく日本のトヨ(サカイマシンツール)というメーカーが共同開発したもの。
colavolex



こちらは同じく日本のメーカー、駒村商会のホースマンSW-D II Pro。建築写真のあおりでは(ティルト)と(スイング)は使わないので、上下左右の(シフト)操作に特化してます。ピントは(ヘリコイド)式
SWD2PRO24


こちらは、ドイツカメラの雄リンホフ。linhof Techno
linhof


こちらは、スイスのジナーというメーカー、Sinar arTec。ネーミングからして建築写真に特化したモデルです。
Sinar arTec



こちらはアルカスイス Arca Swiss RM3D。僕が一番興味を持ったカメラです。バック部がシフトするようなっているようです。
レビュー動画がありました。
http://www.luminous-landscape.com/videos/arca-rm3d-video.shtml
ARCA-SWISS-RM3D



カメラのデザインを見ているとワクワクする。どちらかというとメカ的な部分に惹かれている性分なのですが、カメラのデザインから興味を持って建築写真の道に進む人がでてくれば面白い。
カメラをもっと知りたい人は(かっこした用語)やメーカー名モデル名を検索してみてください。世界が広がります。

こちらは僕のビューカメラですが中判フィルム用です。木製なのが気にいっています。日本のメーカーEBONY。まだEBONYからはデジタル用のカメラは出ていないようです。ティルト、スイングが無い方が嬉しく、小さくて可愛らしい木製のビューカメラになるのを期待しているところです。






番外編でヨシダジンさんのHPを紹介します。
http://www.jinsans.com/Handmade_Camera/H_Camera-1.html


写真家のヨジダジンさんが設計した手作りのオリジナルのカメラです。
ご本人から直接カメラを見せてもらったことがありますが、アルミの削りだしで精巧な作りです。

フロントレンズ部が自由に動き固定する仕組みは、素晴らしい発想で特許を取得しないともったいないと思います。デジタルにリニューアルしたらいいのに。と思うところです。


jinsan original 6x9camera

さらに番外編。こんなに美しい木製の手作りカメラもあります。クリックで写真が拡大します。
レンズとフィルムが入るパーツは既製品を使うのですが、このカメラを見たら一番判り易いのですが、カメラといっても、レンズとフィルムの間の暗箱をいかにつくるかという問題で、上のビューカメラも同じことです。あおりをしなくていいカメラだとこのようにシンプルな箱ですむわけです。

http://photographyireland.net/viewtopic.php?t=28210&start=45

handmadewooden








(さらに番外編)

木製のピンホールカメラです。中判フィルム6x9サイズまで撮影できます。
香港のzero imageというメーカー。
http://www.zeroimage.com/

zero69

このピンホールカメラを使って撮影した写真です。
ピンホールといっても侮れません。
このカメラ、買った時は持ち出していましたが、最近は全く使っていません。このブログを書いていて持っていたことを思い出しました。




カメラを見て同じ様にワクワクするような方への今後のきっかけとなっていただければ幸いです。好きこそものの上手なれ。興味から全てが始まります。
写真素人に関して全くの素人ですが、写真のウマ下手も10年〜20年続けたら、そこそこレベルにはなれるだろうと信じてやっています。

今から建築写真を少しまじめに取り組みはじめたいと思っている方には
一眼レフがいいと思うのですが、たとえばキヤノンだったら
EOS kiss digital シリーズ(X2以降がいい、DPPでのレンズ補正が楽だから)+ EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM
などがおすすめです。
このレンズは充分な広角で(湾曲収差)が少ないので気に入っています。
中古でも充分です。使い倒しましょう。

RAWで撮影するようにして三脚も必要な時には使う。あとは、日頃いい建築写真をたくさん見て、考えながら建築を撮影することを心がけたらいいと思います。
あと、1枚の印象的な写真が撮れることも大事なのですが、組写真(数枚の写真で一つの建築を説明する)で撮ってみましょう。

建築を見る目を養うことと建築の素養を身につけることも大事です。
まずは、建築を見て、ここで感動した、綺麗だと思った。その気持ちが家に帰った時に、写真を見て再現できたらいいと思います。


08:39, Saturday, May 22, 2010 ¦ 固定リンク

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