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藤本寿徳

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建築写真と実際の生活
*ホームページに掲載する建築の写真は、竣工直後の生活がはじまる前の状態で撮影しています。

 建築の成り立ちを正しく説明するために、住む人の個性を排除し、あえてドライな状態で見る人の視点を建築に集中させるようにと考えています。

建築家は、その住宅の図面と写真だけから、生活をイメージできます。
本当に住めるのか、あるいは住み易いのか。
その建物の施主だからこそ実現可能な家なのか、はたまた誰が住んでも住みやすい一般的な判り易い住みやすさなのか。
そういうことを人や生活が写っていない写真から読み解くことができます。

*しかし、やはり人に伝えたいと考えたとき、そこの住人が写ってはじめて伝わる雰囲気というのもある訳です。

*<建築作品>に写っている須波の家の写真と、久しぶりに訪れた今日撮影したスナップ写真と見比べていかがでしょうか。
やはり伝わる雰囲気の質に違いがあることは否めないわけで、建築を写真で理解するのは技を必要とします。

*僕の場合、気になる住宅があると、可能な時は現地に見にいくようにしています。その時はむしろ住人よりも周辺環境に注目して見ています。周辺環境とその住宅との関係、スケールやプライバシーの調整、モノとしての建築の存在感。そういうものも写真から伝わりにくい要素の一つです。

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そしてこちらは同じスナップ写真でも、一転して建築の特徴を1枚の印象的なショットで撮影しようと考えて撮影した写真。
上のように生活が写った写真の世界と、下のような建築的な世界。
この二つの世界を取り持つことが設計と言えるかもしれません。

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19:06, Saturday, May 15, 2010 ¦ 固定リンク

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