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藤本寿徳

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小都市バンザイ-(エコロジー)
*CO2排出抑制のための太陽光発電の促進、それ自体には異論が無い。
ただ、その言葉を発している人たちの日頃の生活環境が気になる。どんな環境で生活しているのだろう。

*郊外に無秩序に広がる狭小住宅の群れ。その屋根をこれから発電パネルが覆い尽くしていくのだろうか。
商業ビル、事務所ビルが中心部では乱立し、郊外の住宅は下品な洋服を着るように、新建材や設備でペタペタ着膨れしていく。簡単に脱ぎ捨てられるものならいいけれど、時間の経過とともに汚れと傷みが悲惨な結果を生む。
新品の時はなんでも奇麗。それが30年たったらどういう姿になるかの心配をする人がいない。
エコと言いながら美しくないボロをまとった都市空間への変貌を加速していくことを心配する。

*コンピューターなどの電子技術の発達は、ハードが見えないところに価値があると思う。
たとえば、東京の作家が屋久島に居を移しても仕事や情報収集がメールとネットで問題が無いというように。
昔懐かしい風景やライフスタイルを維持しながら、都会を離れてでも現代社会の恩恵を受けながら生きていくことができるところに価値がある。距離の問題は既に解決された。
映画「ブレードランナー」の描くような一極集中の都市の末路を避けるために技術は使われなくてはいけない。

*弥高山の家の太陽光パネルは屋根の上ではなく、建物から離れた斜めの土地(敷地内)に設置されている。
現在、工事進行中の田尻の家では、フラットルーフに目隠し壁を立て、パネルを目立たせないように心がけている。太陽光パネルという依頼条件から屋根の形はそれに見合うように当初から決定していた。

*昨今の太陽光発電の促進については、風景からの議論も考えないと、大都市とその郊外の姿をより醜いものにしていくのではないかと心配している。

*東京、大阪の中心部を大都市、福山市を小都市としてみる。
小都市の利点は、小回りが効くこと、大都市を見て、発展の課程で見誤った方向性を反省材料にしながら新たな都市ビジョンを描けるところ。人間的な都市を構想するのにまだ手遅れという状況まで進んでないところにある。すなわち大都市の発展課程を反省材料に、現代の技術と価値観で大都市以外の答えを見つけることができることである。

*小都市の景観と大都市の景観は違うという認識のもと、エコロジーの議論をすることを望む。

*話は飛躍するが、限界集落での放置された耕作地。ここに太陽光パネルを美しく設置する。葡萄のビニールハウスが田舎の景観をつくっている様を参考にしながら。太陽光パネルの棚田とセットになった茅葺き屋根の農村風景。という案はどうでしょうか?

11:00, Wednesday, Nov 04, 2009 ¦ 固定リンク

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