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*先月、東京から建築家の新堀学さんが来福されたので鞆を案内した。僕自身、日頃鞆にはよく行く方だと思っているが、観光案内ということでじっくり時間をかけて街全体を歩くことは珍しく、それだからこそいろいろな事に気付かされた。
*少なくとも、僕が福山に来た10年前とは状況が格段に違っていて、観光面でも現実の街並という意味でも充実したものになっているのに驚く。重要文化財の太田家住宅の質の高さ、雁木と常夜灯が残る静かな港の佇まい、昨年リノベーションが完成した「御舟宿いろは」、空き屋を利用したお店の数々などなど…、まとまって見るとこんなに見応えがあるとは正直今までは感じてなかった。今では大違いである。
*NPOの方々が町づくりをこの17年継続しているおかげにつきると思う。空き屋の再利用がここまで進むと街全体が激変し、人々の表情からも活気がみなぎっている。継続は力だとつくづく感じる。
*鞆の浦は架橋問題で揺れている最中だが、公共工事というトップダウン方式で町の活性化を期待する向きもあるのだろうが、住民が継続的に盛り上げていくボトムアップで町を活性化させるこのNPOの活動は、多大な効果をもたらしていて、行政にも真似のできない町づくりの超一流の手腕だと思う。
*ちょうど、建築学会の全国大会が広島大学を会場に開催されている時期だったので、東京からの建築関係者や建築学生の多くの人で込み合っていた。新堀さんはたくさんの知り合いに出会い挨拶をしている。福山の地で皆お知り合いかと思うと、自分だけ他所者になったような妙な感覚を覚えた。
*新堀さんにとっては鞆は初訪問なのに、僕に、あっちにこういうところ無い?の質問攻め。言われたらそういうところがあることの連続なので驚いた。「崖の上のポニョ」見たから知ってるんだよとの答え。ポニョの舞台になっているとは聞いていたけど、なんでも言い当てる新堀さんに驚き、恥ずかしくなって僕も劇場に見に行った。映画全体を通して、鞆をベースに物語全体が描かれていることは知らなかった。知らなかったこと自体を恥ずかしく感じた。
*灯台下暗し、福山の地元の人々にもっと鞆の浦を大事にしていってほしいと思う。これから必要だと思うのは、地元福山の人々の日常生活の一部の場所になるような仕掛けも必要だと思う。
*朝日新聞の広島地域情報のサイトに鞆の浦の特集ページが組まれています。写真エッセイ「鞆撮りある記/叺田松雄さん」で昔の鞆の写真を見る事ができます。
http://mytown.asahi.com/hiroshima/newslist.php?d_id=3500025
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10:43, Thursday, Oct 16, 2008 ¦ 固定リンク
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