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*昨晩の岩手県沿岸北部での地震(M6.8、震度6強、震源の深さ120km)では建物被害が出なくて良かったです。地震の周期が極めて短かったようです。 古い木造家屋を倒壊に至らしめる1〜2秒の周期の地震波が無いこともK-netのデータから読み取れます。
筑波大地震防災・構造動力学研究室と東大地震研究所のHPでこの地震の解説が掲載されています。
一部転載させていただきます。
(以下、筑波大境有紀氏のHPより、http://www.kz.tsukuba.ac.jp/~sakai/085.htm)
今回の地震で発生した地震動は,2008年岩手・宮城内陸地震と同様に0.5秒以下の極短周期が卓越していて,震度や地動最大加速度は大きくなるが,建物の大きな被害を引き起こす1-2秒応答は小さい.提案する算定法による震度を見ると5弱程度である.つまり,最大震度6強で建物の大きな被害が生じなかったからと言って,建物の耐震性が高いのではなく,たまたま被害が生じない性質の揺れだったに過ぎない。
(以下 東大地震研HPより http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/furumura/08Iwate_engan/)
この地震により、震源に近い地震観測点では最大1000cm/s/sを越える強い揺れを記録しました。地震波形は0.1〜0.2秒程度の短周期地震動を多く含んでおり、強い揺れが10〜20秒以上も長く続いていることがわかります。震源に近い岩手、宮城、青森でこの揺れを感じた人は、カタカタとした小刻みな揺れがとても長く続いた印象をお持ちのことと思います。
いっぽう、木造家屋の被害に強く影響する周期1〜2秒程度のやや長周期の地震動はほとんど含まれていないこともわかります。速度応答スペクトルを求めると、たとえば「玉山」観測点の揺れは、周期0.2秒の固有周期を持つ小型構造物(石灯籠や工場の配管など)を大きく揺する力を持っていたことがわかります。
いっぽう、兵庫県南部地震の神戸大の地震動には周期1〜1.5秒程度の成分が強く含まれており、木造家屋の被害に大きな影響を与えた原因と考えられています。 |
15:57, Thursday, Jul 24, 2008 ¦ 固定リンク
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