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藤本寿徳

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concrete
英単語のconcrete(コンクリート)を辞書でひくと、形容詞として[コンクリート製の]という意味の他に
*現実の[実在]の、実際の;具象[具体] 的な(反=abstract)
という意味がある。

最近「Houses&Materials:Elements on Architecture」という本に掲載されたのだが、この本の内容は住宅を素材から分類して石、木、ガラス、金属、コンクリートの使い方が特徴的な住宅を紹介するものだ。取り上げられた「近田の家」はコンクリートの項目に分類されている。

今回の本のタイトルと似ているので、2004年に行ったふくやま美術館での展覧会のタイトル"Non-Concrete Elements of Architecture"と2006年の”Simple Architecture"について、今さらなのだが説明したい。

museum2



"Non-Concrete Elements of Architecture"2004

simple1



”Simple Architecture"2006


僕の建築はコンクリート打ち放し仕上げが多い為、見た目にコンクリートの印象が大きく残るものだが、展覧会では、仕上げや構造としてのコンクリートに焦点をあてるのではなく、建築の基礎をなす「実在しない要素=目に見えない要素(Non-concrete Element)」を伝えたいと思いタイトルを"Non-Concrete Elements of Architecture”(コンクリートでない建築の要素)と名付けた。具体的には3つの”S”を掛けてSite+Space+Spilit(場所と空間と人間の精神性の応答)をテーマとして、設計の際大事にしている「生活の場はどうあるべきか」「建築や空間の根源的な豊かさ」などを伝えようとした。Simpleな表現の中に多様な豊かさをどう織り込むかを2006年では言葉を換えて展示した。

建築は実際身を置いて感じ取らないとわからないことが多い上に、経験や趣向が違う多くの人に展覧会という場を使って間接的に建築を伝える事は難しい。コンクリートを使ってノン・コンクリートな要素を建築に織り込み、それが感じ取ってもらえるような建築を目指している。
22:45, Wednesday, Jul 09, 2008 ¦ 固定リンク

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