← |
2024年11月 |
→ |
S |
M |
T |
W |
T |
F |
S |
|
|
|
|
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
21 |
22 |
23 |
|
25 |
26 |
27 |
28 |
29 |
30 |
|
世の中には、建築の素人がセルフビルドで建てた魅力的で奇妙な建物がある。有名なところでは、郵便配達夫シュバルの家。30年をかけ配達途中に拾い集めた石で作り上げた「シュバルの理想宮(フランス)」や ロスアンゼルスのワッツというスラム地区でやはり30年をかけ、拾ってきたビンやタイルでサイモン・ロディアが作りあげた「ワッツタワー」など。二つとも文化財の扱いを受け観光名所になっている。検索したら簡単に写真にたどりつけるでしょう。
日本でもそういう事例は結構聞くが、現在では取り壊されてしまったものも多い。そういう建築ばかりを紹介するような書籍もあるのだが、下の写真の「Treehouse(木の家) 」(命名者=自分)は今まで書籍などで紹介されているのを見たことがないので、自分が第一発見者だと思い込んでいる。8年前偶然「発見」した。
家の中央に木が生えている、究極のツリーハウスである。近くによって、注意深く観察すると、建物の周囲はベニヤやサッシなどの大きさもバラバラ、貼り方もバラバラ、セルフビルド特有の匂いをプンプン漂わせている。大抵この手の制作者は変わり者と相場が決まっている。いきなり質問をしようものなら瞬時に切り捨てられる危険が高い。 運良く、建物の向かいのクリーニング屋さんが開いていたので、近所の事情にも詳しいだろうとの期待を抱きお店に入って質問してみた。
ツリーハウスの横に住むお爺さんが、木を囲むように小屋を作ったのが始まりで、材料は最初から拾ってきたもので作られたようだ。当初は植物の温室のような小さな小屋であったが、時間をかけそれは上へとどんどん大きくなり、ついには写真の高さまで達したらしい。どんな人ですか?と問うたところ、普通のお爺さんですよ。元気ですし声をかけてみたら。とニコニコしながら期待はずれの答えが帰ってきた。半信半疑である、このような物を作れる人が普通であろうはずは無いのである。普通にこれを作られては設計者としての自分の立場を失ってしまう。よって直接取材にはいまだ至っていない。
奇妙なセルフビルドであればなんでもいいというものではない。このツリーハウスは美しい。
(2010年5月追記) 本当に残念ながら、既に取り壊されてしまいました。 |
17:41, Sunday, Jul 06, 2008 ¦ 固定リンク
|