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高校生の頃に映画監督になることに興味を持ち、映画館で年間100本以上は見ていた時期がありました。その頃のミニシアターブームの影響を受け、数多く見ていると好みが定まってきて、フレディ・ムーラー、ビクトル・エリセ、ダニエル・シュミット、エリック・ロメールなどの静かな叙情詩的な映画に惹かれていきました。
建築の道に進んでからは、一切映画を見なくなった(足を洗ったと言い聞かせた)のですが、最近はスタッフがレンタルしてきたDVDを勧められるがままに見ることがあります。先日、河瀬直美の「萌の朱雀」を見て衝撃を受けました。
彼女のカンヌでの活躍はニュースで聞いていたのですが、映画から足が遠のいたこともあり見る機会がありませんでした、11年前の作品を今さらですが初めて見たわけです。 先に挙げた監督たちの作品より感動したのは、日本ならではの美しさが描かれているため、より心に伝わってくるものも大きいのだと思います。静かさと緊張感が続く全編、最初から最後まで全ての時間が完璧だと思います。自分と世代も同じ彼女の20代の長編処女作だと知り、その才能に驚愕しています。 学生時代からの短編作品なども含まれたDVDボックスも発売されているので、これから彼女の全作品を見たいと思っています。
映画を見た後、鎌倉円覚寺にある小津安二郎のお墓で撮った昔の写真が見たくなり、写真を引っ張りだしてきたのですが、ずいぶんと年を取ったものだと実感します。墓石には「無」の一文字が刻まれています。円覚寺には寿徳庵という塔頭(子院)があります。同じ名前なので喜んだものです。
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23:46, Monday, Jun 23, 2008 ¦ 固定リンク
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