プロフィール
藤本寿徳

2024年11月
S M T W T F S
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22
23
24 25 26 27 28 29 30

最近の記事
新刊のお知らせ-「建築・住宅デザ ..

アスタリスクのミニムービー

大山6合目避難小屋の美しさ

かっちりつくる

以前の記事
2024年 7月
2024年 3月
2021年 8月
2020年 8月
2020年 3月
2020年 2月
2020年 1月
2019年12月
2019年 9月
2019年 8月
2018年 2月
2016年 8月
2016年 6月
2016年 5月
2016年 4月
2016年 3月
2016年 2月
2016年 1月
2015年12月
2015年10月
2015年 6月
2015年 4月
2015年 3月
2015年 2月
2014年12月
2014年10月
2014年 9月
2014年 8月
2014年 7月
2014年 6月
2014年 5月
2013年12月
2013年11月
2013年10月
2013年 9月
2013年 7月
2013年 5月
2013年 3月
2013年 1月
2012年12月
2012年11月
2012年10月
2012年 9月
2012年 8月
2012年 7月
2012年 6月
2012年 5月
2012年 4月
2012年 3月
2012年 1月
2011年11月
2011年 8月
2011年 7月
2011年 6月
2011年 5月
2011年 4月
2011年 3月
2011年 2月
2011年 1月
2010年12月
2010年11月
2010年10月
2010年 9月
2010年 8月
2010年 7月
2010年 6月
2010年 5月
2010年 4月
2010年 3月
2010年 2月
2010年 1月
2009年12月
2009年11月
2009年10月
2009年 9月
2009年 8月
2009年 7月
2009年 6月
2009年 5月
2009年 4月
2009年 3月
2009年 2月
2009年 1月
2008年12月
2008年11月
2008年10月
2008年 9月
2008年 8月
2008年 7月
2008年 6月
2008年 4月
2008年 3月
2008年 2月
2008年 1月
2007年12月

 



1 閉じること/開くこと
1 閉じること/開くこと

オランダの都市部の低層住宅街では、居間の中が通りから見えるようにカーテンを日中開けておくという。自らが襟を開くことで地域との信頼関係を築くためと聞いたことがあるが、そういう事とは違うし、昔の農家の縁側にはカーテンもブラインドもなく座敷間が見える事とも違う。沖縄の古い家では今でも仏間と床の間を見せる習慣が多く残っている。安定した地域社会で可能なことだが、プライバシーの考え方はずいぶんと異なる。三原の家は市中心部にあり、そこまでオープンな地域ではない。

1





三原の家-----道路側から建物を見ると窓を通して、建物反対の景色が見える。この建物の特徴である。外部からは人間の姿は見えないように窓は高い位置に設けている。ブラインドは主として半開の状態での使用を想定している。充分プライバシーは守られている。

全く窓のないコンクリートの箱は閉鎖的で、外観は土木構築物にも見える。そこに注意深く開口をつくる。身体が求める空間の質とは何か、閉鎖的空間と開放的空間のバランスを考えていく。周辺環境との関係から開口のつくり方を決定していく。反対側の景色まで見通せる建物いっぱいの幅を持つ最長の連窓をつくり、たっぷりと空の広がりを享受した。

コンクリート壁とガラス窓のみにまで還元されたシンプルな外観である。敷地周囲との関係から、そのシンプルな箱のつくり方を決定していくことで、その場でこそ輝きを持つ住宅へと昇華する。
単純な外観の中に、形のない要素(体験して感じること)がたくさん詰まった住宅を理想としている。形が無いが故に写真には写らないが、形のない要素に建築の本質が宿る。

18:20, Thursday, Jan 17, 2008 ¦ 固定リンク

△ページのトップへ