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JR福山駅はちょっと変わっている。子供の頃不思議に思っていた。お城の真横に新幹線の駅があることに驚いたものだ。その後三原駅も、天守閣は残っていないものの城郭の中に建ち本丸の真横にあることを知ったのだが、全国的にも、お城の横にある駅はとても特徴的なものだ。
現在駅前ロータリーを整備し直すため工事が昨年3月から始まっているのだが、工事の準備段階の発掘調査で駅付近にお城の石垣の遺構が残っていることが判り、文化財保護審議会からも石垣保存の提言が出て、市民運動も起こり、シンポジウムが数度開かれ、昨年10月からは署名活動が行われている。市作成案に対して、文化財保護審議会委員で福山大教授の松本静夫先生がお堀を復活させた水辺公園案を打ち出し、市民団体が市作成案の再考を促す署名活動を行っていてる。人口46万人の町で僅か3ヶ月で10万人もの署名が集まり、昨日には市との対話の席が設けられた。
「福山駅前水辺公園プロジェクト」のホームページ http://www.sannomaru.com/ishigaki/
<福山駅前水辺公園プロジェクト案>
とても素敵な案だと思う。ぜひこのまま実現して欲しいものだ。全国の新幹線駅前は画一的で、お決まりのロータリーがあり駅前商業ビルに囲まれている。ロータリーも交通を裁くことを目的に合理的に計画されていて地域性が疎かにされている。全国の駅前空間の本質はどこも同じものだ。この案は福山の玄関として、歴史や自然を味方に他所とは違った福山の魅力を打ち出せる美しい案だと思う。全面的に賛成したい。
<現状の福山駅前>
<市の計画案>
一般論として、最近公共建築と市民運動の対立みたいな構図が多く見受けられて残念である。(今回は対話がなされていて対立しているイメージは全く受けないが)
なぜこのようなことが起こるのかという原因を自分なりに想像してみると、 1 役所内部だけで基本事項をとりまとめ素案の方針をつくる。それをもとにコンサルタント会社に設計を外注する。コンサルタント会社は全国の事例に詳しく、補助金などの貰い方や再開発事業を進めるための国とのルートなども面倒みてくれて便利である。 2 一部の議員や地元有力経済人や団体の意見のみが通っていく。美的評価に対してこだわりが少ない人たち。 3 コンサルタント会社はオリジナルなものを発想することよりも、全国的な事例を手本として手堅く案をまとめている傾向がある。また発注者に対して異なる意見を言えない。
といったことを想像する。だから、一部の市民、特に文化的、芸術的側面を主とした意見と折り合いがつかない傾向があるのだと思う。今回はぜひ対立の構図を超えて、ぜひ市と市民が一体となって築いた初めての事例として歴史に残してもらいたいものだ。
僕の意見では、市民にすんなり公共建築が受け入れられてスムーズにことが運ぶためには、公共建築を進める手法から見直すことが効果があると考えている。情報公開が重要で、時間や手続きや反対意見の調整が多く面倒くさいのだが、
1 建築家に要請してコンペに参加してもらい。提出された案を市民に公開して審査も公開で選出する。 2 市がコンサルタント会社に外注して出て来た案を市民に公開して意見を求める。 3 コンペやコンサル外注の以前に、市民、有識者をメンバーとした準備委員会を発足させ基本的な方針を決定し市民に公開する。(今回は「福山駅周辺整備推進協議会」がちゃんと発足して素案をまとめた経緯があります。)
このような方式にすれば、より建築文化が市民に浸透していき豊かな町づくりにつながると思っています。福山駅前は、繊維ビルと伏見町の二つの大きな再開発事業も予定されていて大きく変貌しようとしています。文化的で魅力的な福山に成熟するために、今までの公共建築を進める手法から変化することが必要だと思います。今回は途中でお堀が発掘された経緯もあり、市側に一方的な不備はないと思いますが、予算や工事契約を見直すことができるような柔軟性に期待しています。
近隣自治体でもコンペやプロポーザルによって進められた公共建築事例が多くなってきました。 (三次市)奥田元宋・小由女美術館 http://genso-sayume.jp/ (三原市)三原市芸術文化センターポポロ http://www.mihara-popolo.com/top.html (府中市)(仮称)府中市立統合小・中学校
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12:38, Tuesday, Jan 08, 2008 ¦ 固定リンク
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