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藤本寿徳

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里山の家の話-2(設計相談)
 クライアントである平田さんご夫婦と初めてお会いしたのは、2005年12月18日。ちょうど2年前の今日のことです。

状況として、

 *現在福山市内のアパートが,道路工事の為近い将来立ち退きになるから引っ越しを考えはじめたこと。
 *トータルの予算で2500万円程度であるが、予算内の福山市内の新築、中古マンションを見て回ったが納得がいかないこと。
 *「弥高山の家」のシンプルさに特に惹かれたこと。
 *ローコストでも生活していく自信があること。
 *現在土地を購入してないが、一軒家を 建てれる可能性があるか?
という相談でした。

 ご夫婦とも岡山県出身のため、福山という土地に特別こだわりがないこと。ご主人の会社が井原市にあるということで可能性を感じました。
 予算からすると少し厳しいかもしれないが、いっその事、まだ土地が安いであろう場所がたくさんある隣の井原市の里山の土地を探すことを提案しました。美しい里山や広葉樹の森がたくさん残っていることは日頃から知っていました。価値観を変えれば市中心部よりも魅力的な場所は多々あります。

 実際に「弥高山の家」「辺名地の家」も見てきた二人と、ローコスト住宅の厳しさと、それが少しの工夫で乗り越えられる事。田舎であることの生活の豊かさと不便さについて多くの話をしました。
 ファッションやデザインセンスが洗練されていて僕などは及ばない二人ですが、デザインの根本の考えで多くの共通した価値観を感じました。予算に対して若干の不安もあったのも事実ですが、一貫して家を持つ夢に僕も引き込まれていきました。

 仮に土地があったとしても予算2500万円で住宅をつくるのは難しいご時勢です。しかし、土地が充分広くて近くに燐家がなく、周辺環境から干渉を受けない土地であれば、とても小さい平屋の建築物(構造物)を予算内でつくることは物理的に可能と考えたからです。たとえそれが、倉庫や駐車場のような建物にしかならなくても「住む」という平田さんの強い意思さえあればなんとかなるものです。

 地元の不動産屋さんに飛び込み,平田さんの土地探しが始まりました。
16:45, Tuesday, Dec 18, 2007 ¦ 固定リンク

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